プロフィール(前)

私のストーリー

私の転機は、5回も会社を辞めた(そのうち、1回はクビ)後、2013年、心機一転、大学院に入り直し、「心のケア」「スピリチュアル・ケア」など、人間の内面を研究した後、2016年、独立して、キャリア・コーチの仕事を始めたことです。

その時、自分には、

  • 日本と外資系という2つの異なる企業文化で働いた経験
  • ベンチャーを2社立ち上げた起業経験
  • 米国ビジネススクール(大学院)への留学とで日本の大学院で学んだリカレント(再)教育経験

という多様なキャリアがあり、どんな職業についても仕事の実情がわかるし、カウンセリングについても大学院で実践的に学んだので、自分にぴったりの職業だと思ったのです。

でも、ビジネスとしては、うまくいきません。大学で就職セミナーを開催したり、友人、知人の何人かは、有料のカウンセリングを受けてくれましたが、このペースでは、残りの人生でいったい、何人の人の相談にのれるんだろうかと暗澹たる気持ちになりました。もちろん、キャリア・コーチだけで生計を立てることはできず、大学の職員(パート)や、地元企業の手伝いなどで食いつないでいくことにます。

そして、またも心機一転、5年間暮らした仙台を離れ、東京に戻ることにします。そして、あるご縁があって、外資系コンサルティング会社でコンサルタントとして働くことになります。このコンサル会社は、製造、開発の生産性向上を売りにしていますが、近年、「働き方改革」「イノベーション」の分野にも力を入れていました。

「雇われない」生き方を選んだのに、また、「雇われる」人生に逆戻りのように感じましたが、入社を決めたのは、クライアントが大企業であれば、より多くの人を助けることができると思ったからです。個人でキャリア・コーチをやっても、一対一のカウンセリングでは、助けられる人の数に限界がありました。また、個人の生き方、働き方を変えようとしても、働く職場、企業そのものが個人の価値観を認めなければうまくいかないという現実にも、忸怩たる思いがありました。

それに加えて、CEOの強烈な個性と会社の社是「定年なし、通勤なし、副業自由」に魅力を感じました。なぜなら、「通勤なし、副業自由」なら、自分のペースでコンサルタントの仕事を学びながら、キャリア・コーチの仕事もできるからです。それに、定年なし!

コンサルタントとして働いた2年は、実にエキサイティングでした。生産性を上げるための科学的理論を学びながら、クライアントに教え、実践して成果を上げるというのは、とてもやりがいを感じました。でも、休みも、自由時間もなく、旅行する余裕もありせん。仕事のために家庭を犠牲にするという「働き方改革」「ワークライフバランス」の理想からほど遠く、自分が、反面教師になってしまったのです。

また、大きなジレンマを感じていました。

独立してキャリア・コーチになった頃、自分が関わることができる人の数を考えると、その影響範囲は知れているので、コンサルタントになったのですが、実際には、多くの職場、グループを対象にはしていますが、反面、企業全体として生産性を上げるのが目的であり、必ずしも個人個人の幸福につながるわけではなかったからです。

一方、個人でカウンセリングを受けている人たちには、ひとりひとりに応じたアプローチができます。ひとりの人の人生を変える、大きなコミットをするができるのです。

悩みました。大企業の職場を変えるか、個人個人の人生を変えるか。世界を変える。世界を良くするには、どちらが良いのか。そんなときに、2020年春、日本でコロナ禍が本格化し、仕事も環境も大きく変わり、私も一歩進むことになったのです。

大きな変化は、コロナ禍でオンラインでの訪問になり、すべてをオンライン環境で行うことになったことです。いままで、会議室で多くの人を集めてやっていたワークショップも、オンライン会議だと、雰囲気が変わり、一人一人の顔が同時に見られるということです。従来だと、職場単位で参加している、かたまりのようなイメージが、個人個人の存在感が増したのです。

オンラインでの訪問を続けるうちに、このリモート環境は、新しい時代の幕開け、働く人にとっても大きな変革のチャンスだと直感しました。個人に対して、それも、地域を問わずに、より多くの人にリーチして、人助けができるのではないかということです。

その一方、リモートワークで、クライアント訪問がなくなることで、交通移動、宿泊はなくなったのですが、会議が大幅に増えてしまいました。クライアントとの会議も、本番の会議以外に、事務局との会議が増え、それに対応して、コンサルタント側の我々の会議も激増しました。事前会議は、顧客の訪問前の1時間だったものが、リモートワークのおかげで、いつでも自由にできるため、準備のための会議、検討のための会議など、一日、朝から晩まで会議という日もありました。

そして、そんな中、私自身、燃え尽き症候群のような状態になってしまったのです。

そんな折、会社側も、私の異常を感じたのか、パートナーの方々が心配して、声をかけていただきました。

心と体が疲れていては、魂に悪い。

そう直感しました。

会社を辞めよう。

2年間のコンサルの経験を活かして、個人個人の働き方、生き方のサポートをしよう。

こういう思いが、湧き上がってきました。

そして、

キャリア・コーチ+生産性向上コンサルタント+リモートワーク

というフレームワークで、より多くの人が、好きで得意なことをしながら、より少ない時間では働いて、充実した自由な時間を楽しむお手伝いをしたい。

そこで、自由を求め、再度、「雇わない」ことにし、会社を辞め(6回目)、再度、独立開業しました。

Work Style Shiftを提唱します

6回も会社を辞め、職業を転々と変えるのは、日本の昔の価値観でも、欧米の価値観でもあまり評価されない生き方だと思います。会社を辞めるときは、例外なく、「とても気持ちがいい」という秘密があるのは別として、新しいことに挑戦するのは、エキサイティングではありますが、大変です。

でも、人生100年時代、会社には定年があるので、どんな人でも、セカンドライフが待っています。もちろん、ひとによっては、20代後半でも、35歳前後でも、40代、50代でも、セカンドライフに切り替えることでしょう。

働くこと、なんらかの活動をすることは、ライフ(人生)の一部であり、本来は、人生の意味、目的からワークも考えるべきなのです。自分の人生を自分でコントロールする、というマインドをもって人生設計をするという意味で、「サラリーマン起業家」的マインドを育てたいと思います。そして、新しい働き方、新しいビジネスモデルを提供する「Work Style Shift」という概念を使いたいと思います。

私は、コロナ禍での「リモートワーク(在宅勤務)」の普及を千載一遇のチャンスととらえ、ここに、「住む場所」「移動(旅行)」、そして、「時間」という三大自由を手に入れ、さらに、豊かな暮らしができる継続的な稼ぎができるビジネスモデルの構築を提唱していきたいと思います。

私のモットー

  • 人生は何度でもやり直せる
  • 自由(時間、移動、住む場所)を取り戻そう
  • 自分の人生の目的、意味を自覚し、充実感をもって、一日一日を懸命に生きよう

加藤浩司

グローブ合同会社代表