リモートワークにすれば、自由時間が飛躍的に増えます。では、手に入れた自由時間をどう使えばいいかについて考えてみましょう。
自由時間はバラ色じゃない?
私たちには、皆、例外なく、否が応でも、遅かれ早かれ、自由時間をどう使うかについて考える時がきます。もちろん、自由時間がたっぷりある生活は、究極の人生のゴールでしょう。
そして、なぜか、自由時間の楽しみを未来のためにとっておくことが多い。もちろん、今は、FIREという経済的自立をして、早期リタイアするというのが若者でブームにはなっていますが、まだまだ少数派です。
そして、いざ、自由時間ばかりの生活に直面すると、とまどうことも多いのです。
私自身、リストラされたとき、時間を持て余してしまった経験があります。時間はあるのに、何をしていいのかわからず、無為にテレビをダラダラみたり、ぼんやりしていることが多くなり、一日が長く感じました。
いつまで続くかわからない、長い自由時間に直面すると、わたしたちは戸惑ってしまうようです。
だから、なんの悩みもない自由時間。それは幻想にすぎない。
FIREにあこがれる人は、引退した後の長い自由時間がやっかいなものだとわかっていない。
宝くじに当たれば、人生バラ色を送れると夢見る人たちと同じだが、実際にはそうはいかないのです。
だから、定年まで、あるいは、FIREまでは、何も考えずに、ひたすら仕事中毒で働いて、それから老後の人生を考えるというのは、大変危険です。
つまり、今すぐにせよ、引退後にせよ、定年退職後にせよ、自由時間に様々な活動を楽しむには、ある種の能力が必要だということです。
現在、しきりに人生100年時代だから、二十過ぎで受けた大学教育では、時代遅れになるから、リカレント教育での人生2弾ロケットが必要だと叫ばれているが、同じこと。
職業訓練だけでなく、自由時間を有効に使って、楽しむ能力を開発しないと、セカンドライフ(若い人にとっては、長くなる)が、みじめなものになってしまう。
あなたは何をしたいのか?~使命(ミッション)ファーストが必須!
では、あなたの人生の目的は何か、人生の意味は、目標はなんだろうか?
人生の目的は、実は、簡単で、「あなたが生き続けること」。
これは、法人の場合にも、同じで、going concern (事業継続)が企業の目的なのです。
「人生は、虚しく、苦しく、最後は死ぬだけ」というのは、スリランカ上座仏教長老の言葉だが、人間は、どんなにつらくても生き続けなければならない。なぜなら、それが生き続けることこそが、人生の目的だから。
そして、人生の意味は、みなさん、一人一人によってことなる使命(ミッション)のようなものです。その使命のための中間的なゴールが人生の目標となります。
だから、あなたの使命(ミッション)を明確にしなければなりません。
ここがはっきりしないと、リモートワークで職場から自由になり、自由時間が増え、収入は確保された上に、住む場所も、長期の旅行ができるポテンシャルを活かすことができません。
また、使命(ミッション)がはっきりしないと、リモートワークは、あなたの時間を奪いつくすことになります。際限なく、完璧な仕事を追求するあなたがいて、会議、会議であなたを拘束する上司がいて、あれもこれもと要求してくる関係部署の要望に応え続けていたら、24時間、7日間働いても、いかなるアウトプットも出せない悲劇が起きること請け合いです。
あなたは、もし、週に10時間、1日2時間だけ、自宅で働くだけで、今と同じ収入かそれ以上もらえるとしたら、何がしたいですか?
今の仕事はどこに住んでもできます。また、海外の旅行先からでも可能です。
昔、20年くらい前、私が転職活動をしていた時、訪問先の丸の内の外資系企業に働いている米個人アナリストは、「あなたの夢の仕事は何ですか?」と聞きました。わたしが、口ごもっていると、「私の夢の仕事は、ビーチで、海を眺めながら、ノートパソコンで今のリサーチの仕事をすることです」
と言いました。
これが、もう夢じゃないですね。それも限られた人だけではなく、多くの人にそれができる可能性があります。
この本を読み終えてから、また、最後に、みなさんにお聞きします。
あなたがやりたいことは何でしょう?
何を実現するために、リモートワークを選択しましたか?
自分のミッション(使命)を見つけるには
仏教に「ダルマ」という言葉あるが、『モンク思考 自分に集中する技術』の著者ジェイ・ジェティによれば、
情熱+専門能力+有用性=ダルマ
と書いています。
あなたが、情熱を持ち、持ってる能力を使って、社会の人々に役出すことをすることがダルマという言葉の意味だということです。
そういう意味では、人生においての私たちひとりひとりが、使命をもって生きるということは、ダルマと同じことですね。
つまり、自分が「得意」で「好きなこと」を仕事(活動)にする。その仕事は、世の中の役に立つ有用性がなければならない。そして、一旦、こうして始めた仕事に、あなたは情熱をもって取り組むから、成果も生まれる。
成果は、歓迎され、感謝され、その結果、あなたさらに情熱を傾けるという好循環が生まれることになります。
生計をたてるため、お金を稼ぐためのワーク(仕事)は、もちろん、一番大切ですが、そういった仕事以外にも、様々な活動が人間には必要です。
そして、それらを行う自由時間を充実させるためにも、高度な創造性が必要です。
自由時間も、仕事も同じように充実させることが、生き続けるという人生の目的の前提条件でもあります。
まず、自分の好きなこと、得意なことを洗い直してみて、使命(ミッション)が何なのかを確認してみましょう。