自分の人生の意味と使命は何か?
昨年12月30日のブログ「自分の人生の意味と使命は何か」で、
- すべての人間の魂には、この世に生まれてくる「意味」と「目的」そして「暗黙の使命(ミッション)」を与えられて、この世に降りてきている。
- どの人の人生にも、「この人生で果たすべき使命」「意味と目的」が与えている。
というお話を書きました。
そして、年末、年始の静かなこの時期に、自分の「今」と「これまで(過去)」そして「これから(未来)」を振りかえってみてくださいと、以下の質問を投げかけましたね。
- 自分は、自分の使命に、どれくらい(何パーセントくらい)基づいて、プライベートな時間を送っているだろうか
- 自分は、自分の使命に、どれくらい基づいて、仕事(や様々な活動)をしているだろうか
- 自分という人間の「本来」の生き方は何なのか
- 自分の「魂の本来の性質」は何なのか
人生の使命と仕事との関係
いかがでしたか?
少なからぬ方は、心が少し、ザワザワとしたかもしれません。
自分の本当の使命は何なんだろう?
その使命とやらに、自分はしたがって日々、活動したり、暮らしたりしているんだろうか?
人の役に立つことができているのかどうか、わからない。
もちろん、自分の人生の使命が、必ずしも、仕事と結びついているとは限りません。
でも、先日ご紹介した、京都大学こころの未来研究センター教授の広井良典さんによれば、
「仕事が他者からの承認や社会への貢献への自負や誇りの感覚とつながることで、幸福をもたらす」
ことは間違いないようですし、なにより、生計を立てるためには、ある程度は、働かなくてはならないでしょう。
では、何をすれば、自分の使命を成し遂げることに近づくのか?
仕事以外の時間を使って、地域でのボランティア活動、プロボノ活動、NPOなどでの社会貢献活動をするというのも有力な手段ではあります。
でも、やはり、意味のある仕事をしたい
会社で働いている間は、意義ある「活動」は、仕事以外の場で行い、会社を辞めてから(例えば、定年後)、そちらの活動に時間をシフトする、というやり方も現実的ではありますね。
私の知り合いにも、会社の社長を退任した後、気候変動関連の世界的環境NPOに一兵卒で参加し始めて、その後、日本代表になった方もいます。
一方で、やはり、人生の多くの時間を使う仕事が、世の中に役にたたないBull shit jobだったり、魂に悪影響を及ぼすブラック企業だったり、あまりやる気のでない仕事だったら、それが、生計をたてるために仕方がないといだけでは、つら過ぎます。
広井教授がAIを使った2050年の日本社会の予測によると、今後も社会が持続可能であるためには、以下のような施策が重要だという話も前に書きました。
- サテライトオフィスを増やす
- 単一企業に依存しない就業スタイルを普及させる
- チャレンジしやすい環境を整える
この施策により、失業率などの雇用の数値が改善するだけでなく、人々の幸福度も上がるということですが、これはどういうことでしょうか?
2050年の未来の働き方から今を考えると
まず、サテライトオフィスを増やす。
これは、オフィスへの通勤地獄と、飛びぬけて高い住宅費用という、首都圏に住むことの大きなディスアドバンテージの解消策だと思います。あわせて、同僚、上司とのコミュニケーションがテレワークで損なわれることを補う意味もあるでしょう。リモートワークで、孤独感を感じる人は、少なからずいるので、サテライトオフィスで、都心の本社オフィスへの通勤はしなくても、居住地に近いサテライトオフィスに通うことで、業務の関連性はなくても、共通の業務(たとえば、IT環境、オンライン会議、オフィス用品)については、助け合い、また、雑談、飲み会もできます。
二番目は、単一企業に依存しない就業スタイルを普及させる。
すでに、シェアオフィスで働くベンチャー企業では、上記のサテライトオフィスのような環境で働いているわけで、となりで働く別の会社の人たちと雑談したり、食事したり、飲みにいったり、仕事でコラボレーションできないかとコミュニケーションしているうちに、相手のこともだんだん分かったきます。
別の会社のやり方とか、ビジョン、ミッションも含めて、いろいろと影響をうけることでしょう。普通の会社だと、他の会社というのは、一義的には、顧客なので、あまり、自分の会社とは比較しませんよね。
でも、シェアオフィス、コーワーキングオフィスだと、それぞれの会社は、同じ土俵で、フラットな関係なので、働く人のマインドが異なります。
つまり、サテライトオフィスになれば、一企業単独で運営するというよりも、シェアオフィスになると思うので、こういう職場環境になり、働く人が、会社の壁を越えて、働くようになり、自然と、単一企業への依存というマインドから変わるだろうということです。
また、企業へのロイヤリティも、自分が提供するサービス、成果を通じて、価値を提供するという働き方になっていけば、自分で相手企業を変えるという選択肢もできるわけで、リストラも、早期退職も関係なくなり、奴隷に成り下がることもないという点でも、健康的です。
チャレンジしやすい環境で、新しいことを始める!
最後、チャレンジしやすい環境を整える。
ここは、マインドの問題なので、一番難しいです。
もちろん、セーフティネット法制など経済的な支援があることも大切ですが、日本の現状は、正規、非正規雇用による所得格差が一番の課題であり、正規雇用された人は、どんなに大変でも、辞めたり、辞めさせられたりして、非正規労働者に転落したくない。
また、実際に、家庭を持っている人は、住宅ローンもあり、子供の教育費もあり、生計を維持するためには、正規雇用されていることが必要であり、それ以外の選択はないというでしょう。
選択の余地がない状況というのは、生きるうえで一番、つらく苦しいともいえるし、反対に、楽でもあります。
選択の余地がないのだから、悩んだり、考えたりしなくてもいいから、その意味では楽です。
でも、多くの方は、選択の余地がなければ、どんなに過酷な状況でも我慢しなかればならないと思いますから、精神的、肉体的には、相当なストレスになります。
ただ、選択の余地がない、というのは、「思い込み」だと思います。
だれでも、今の状況を変えて、新しい人生、真の使命への道、本当にやりたいことをやって生きることを選択する自由があるのです。結果をハッピーにするかどうかより、プロセスが大切。
キャリアコーチとして、多くの方とお話をしてきて、一番、難しいのが、50歳代の皆さんです。
やりたいこと、好きなこと、魂のワクワクすること、いろいろなものを探しても、次のステップに行くと、
「今の仕事(会社)を辞めるという選択はできない」
「妻を説得できない」
「住宅ローンがあるし、子供が大学を卒業するまでは、今の収入レベルでないと、、、」
などなど、結局、50歳代は、人生で支出が最大になる年齢であるために、身動きがとれないというのです。
55歳から始めるWork Style Shift 今から準備して、5年後には、理想の自分になる
とはいえ、このご時世では、大手企業でも、早期退職者を募る状況ですから、自分が望んでも、会社が定年まで、あるいは定年延長まで、あなたを雇用してくれるとは限らない。
平和だった日々が、一旦、リストラ、退職勧奨などが宣告されたら、世界が変わります。私も2度、経験がありますが、本当に、周りの景色が変わります。不安に押しつぶされるだけでなく、会社側の対応によっては、精神的にも相当タフな状況になるのです。
コロナ禍における2年で、テレワークが幅広く実施され、働き方が文字通り、大変革をとげました。
意外にも、管理職、マネジメントの役割、存在意義が大きく問われる事態になったことを実感されている方も多いでしょう。
事実、オフィスに出勤しているかどうかの労務管理、ハンコを押すという承認権限、管理職が座るべき席に座っているという存在感が、すべてテレワークでなくなり、「管理職って一体全体、何をする人?」という感覚が、メンバーだけでなく、より高次の管理職、経営者からも湧き上がっているのです。
ということで、シニア層、50歳代の方には、いままで以上に、仕事の成果、価値が問われる状況になってきたと言えるわけで、まさに、いまから、将来に備える必要性が高まったきたと言えるのです。
今、50歳代以上の人が、2050年の働き方を心配する必要はない、という声も聞こえてきますが、AI、ロボットによる産業革命が、コロナ禍により、2~30年早くなったかもしれません。
なにより、やりがいを感じ、社会貢献できる仕事(活動)で、幸福感を感じることができるなら、未来の働き方を先取りすることに何も、躊躇することはないでしょう。
もう一度、年末の宿題、自分の使命、人生の目的を心の深いところに、語りかけて聞いてみてください。